地上デジタル放送の受信に必要な地デジアンテナですが、経年劣化や強風などで角度が変わり、TVの映りが悪くなるケースがあります。
その際、アンテナの角度を自前で調整したいと思う方もいるでしょう。しかし、多くの方にとって地デジアンテナの方向を調整した経験などないはず。
アンテナの修理業者を呼べば話は早いですが、業者に依頼すると料金が発生してしまいます。
そこで修理業者を呼ぶ前に、自分でチェックできることについてまとめました。
テレビの映りが悪い方は是非ご覧ください。
まずはアンテナの種類を確認
テレビの画像が乱れたり映りが悪くなった場合、アンテナが原因となるのは画像左の八木式アンテナと呼ばれるタイプです。魚の骨・鹿の角に似た形のタイプで古くから使われています。
八木式アンテナは電波が送信されてくる方角に対して角度を調整する必要がありますが、デザインアンテナの場合そもそも指向性が無いので角度調整をして直るものではありません。
デザインアンテナの場合は他の部品の故障等が原因の可能性が高いので、専門の業者に点検してもらうことをオススメします。
室内用の小型アンテナは、元々受信する力(利得)が非常に弱く、また住宅の壁は木造・鉄筋RCどちらであっても地デジ電波の遮蔽物となります。また、八木式アンテナのように指向性が無いタイプも多く、根本的な電波レベル不足である可能性が高いので、レベルチェッカーを使い十分な電波があるか確認してから設置を検討しましょう。
地デジアンテナの方向調整で把握しておきたいこと
- 電波塔の方向を調べる
- 角度調整をする際の注意点
- 固定部材の破損や錆のチエック
自分で地デジアンテナの方向調整をする際は、事前に上記を把握しておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
電波塔の方向と角度調整
八木式アンテナの角度調整を行いたい場合、まず初めに地デジ電波を発信している基地局の方向を確認しなければなりません。
八木式アンテナは上記画像のように、アンテナの広がっている側を電波塔の逆に向ける必要があり、その角度調整が適正な電波受信の肝となります。
電波塔の方角を調べる方法は以下の方法があります。
- スマホアプリを使う
- 総務省のサイト A-PUBで調べる
- 近隣住宅の方角を参考にする
おすすめなのはスマホアプリを使う方法です。Android限定ですが、「地デジアンテナ調整」というアプリを使えば現在の位置からの正確な方角が分かり、アンテナの角度調整がかなり楽になります。/
iPhone版は無いので、その場合パソコンにGoogle Playから同アプリをインストールするのがオススメです。
総務省のサイトや近隣住宅を参考にする方法は大雑把な把握にしかなりません。
角度調整をする際の注意点
実際に角度調整を行う場合には下記に十分気を付けて下さい。
- 落下でケガをしないよう注意
- 必ず2人で作業する
地デジアンテナの角度調整は2人での作業が望ましいです。アンテナは屋根上などの高所にあるケースがほとんどで、調整をしながらTVの映りを同時に確認することは難しく、1人では屋根からリビングへ、リビングから屋根へ、と余計な上り下りが増えその分落下してケガをするリスクが高まりま。
自力で地デジアンテナの方向調整を行う場合には、TV画面のチェックを誰かに手伝ってもらうのをおすすめします。
固定部材の破損や錆のチェック
尚、電波塔への方向がズレてテレビの映りが悪くなっている場合、そもそもアンテナの向きを固定している器具に破損があるケースも多いです。
この場合、再度固定をし直さなければすぐに角度がズレて、またテレビの映りが悪くなってしまいます。アンテナの固定に使われているアンテナマスト(ポール)や屋根馬、ワイヤーやビスなどはホームセンターで購入できますので、固定部品の交換が必要かどうかもしっかり確認しておきましょう。
※固定部品の破損で交換が必要な場合、ビス止め用の工具、穴を開けた後のコーキング剤などが必要となります。それらを扱えるスキルが無い場合には、素直にプロの業者に修理を依頼しましょう。
アンテナの角度を調整しても電波が弱い場合の原因と対策は?
地デジアンテナを新規で設置している場合
新規の地デジアンテナ設置で、角度調整は上手く言っているのにTVが映らないという場合は以下の原因が考えられます。
原因 | 対策 |
元々地デジ電波が弱いエリア 複数のテレビで見ようと分配器を使っている為、電波レベルが足りていない アンテナからTVまでの距離が長すぎる | ブースターを使う アンテナ本体を受信感度の強いタイプに変える |
新規設置で角度調整ではないところに原因がある場合には、そもそも最初の電波調査(レベルチェック)を行わずにDIYをしているケースが多く、その場合お手元のアンテナではTVが見れない可能性が高いです。
地デジの電波は、近隣の高層ビルや山、竹林などの影響を受けやすい為、電波塔の送信エリア内でも必ずしも安定的にTVが見れるという保証はありません。
このようなケースでは、DIYは諦めて素直にプロへ依頼することをオススメします。
これまで映っていたのに回復しないケース
これまで地デジ放送が見れていたのに、突然TVの映りが悪くなった。角度調整は問題ないはずなのに映りが回復しない。こんなケースでは以下の原因が考えられます。
- アンテナ本体の故障(破損・錆など)
- ブースター等の周辺機器の故障
- 近隣環境の変化
アンテナ本体が錆びていたり欠けている場合、電波の受信性能そのものが落ちてしまいます。このケースでは本体の交換が必要です。また、周辺機器の故障についても同様に故障した各パーツの交換が必要となります。
また近隣に高層ビルが建った、といった環境変化による可能性もあります。これが原因の場合、角度調整だけでは現状回復は難しく、より利得(受信感度)が強いアンテナに交換する必要があります。
どうしても自力での調整が難しい場合は業者に依頼
地デジアンテナの角度調整にかかる費用 ⇒ 税込8,000円前後
どうしても自力での調整が難しい場合は、プロの業者に修理を依頼しましょう。地デジアンテナ本体や周辺機器に故障が無ければ、修理費用も1万円以内で収まります。また、経験豊富な業者に問い合わせて正式な修理依頼の前にアドバイスを貰うのも一つの手です。
また、これを機にアンテナ本体の買い替えも検討されているという方は、こちらのページにてアンテナ工事について徹底解説していますので参考にしてみてください。
地デジアンテナの調整まとめ
地デジアンテナ(八木式アンテナ)の角度調整は、やり方を知ってしまえばそれほど難しい作業ではありません。故障や環境変化が無ければ、自前の調整で映りが回復することも十分あるでしょう。
ただし、高所作業によるケガだけは十分気を付けて下さい。高所作業は、最悪のケース命に関わる事故に繋がる可能性もあります。決して無理をすることなく、出来る範囲と出来ない範囲を見極め、必要に応じてプロの手も借りて下さいね。